浮気をしようとして失敗した話
2012年夏。はじめて出会ったときから、どうしようもなく心を奪われて、ああ、わたしはきっとこの子を好きになるだろうなと思った人がいる。
踊ってるところも歌ってるところも、それこそ頭のてっぺんから爪先まで愛しいなと思って、その子のファンになることを決意した。
それからはコンサートも舞台も映画の舞台挨拶も少年収も出来る限り自分の無理のない範囲で、彼から見つけてもらいやすい席に自分のために入っていた。と思う。
たまに金銭面で力尽きて妥協もそれなりにあったけれど、どの現場もすごく楽しかったし、すごく幸せだった。バドボで「お前がいれば怖いものなんてない」って指さされたり、手を握りしめてくれたり、わたしが呼んだら戻ってきてくれたり、すごくたくさん嬉しい思い出ができた。なにより彼がわたしをみて笑う顔が特別に好きだった。
たぶん、これから先もずっとずっと好きだろうなって確信に近い気持ちでずっといた。
そんな彼のデビューが今年1月突然決まった。
なにより嬉しかった。だれよりも幸せでいてほしい人の未来の展望が見えたことが、これから先もいろんな景色を見せてくれるであろうことが、嬉しかった。
デビューシングルもそれなりに枚数を買って、イベントも何とか当たって。直接自分の声で世界一大好きだってことを伝えられて、そうしたら彼はわたしのだいすきな優しい顔で「ありがとう、ありがとう」って手を握りしめてくれた。ああ、生きてて良かったな。この子のデビューが見届けられて幸せだな。って痛感した。
デビューしたら遠くなるから嫌だって言う友達もいたけど、全然そんな気がしなかった。きっと優しい彼はずっと優しいままで、今までみたいに構ってくれなくなっても、わたしは彼が笑ってる顔を見られたら幸せだから全然良いと思ってた。新しいファンよりずっとずっと胸の中に彼との思い出があるから大丈夫って思ってた。
なのに。
コンサートのチケットが全然手に入らなくて、ここ最近どうしようどうしようって焦燥感だけがわたしを蝕んでた。
大好きな彼をテレビで見る気も起きないくらい気が落ちて、7年目にしてはじめて「彼のファン、やめられたらなあ。」って心の中がぐるぐるして、そんな感情の昇華方法も分からないまま時間がただ過ぎた。
ぶっちゃけしんどかった。オタクじゃない人からしたら、何言ってんの?って感じだと思う。それならファンやめなよって感じだとも思う。でも、わたしにはそういう問題じゃなかった。
そんなとき、ふと流し見してた少クラで、7年ぶりに「あっ、いいな」を感じた。あのときみたいな電撃じゃないけど、好きになれそうな予感がした。
いま、すごく気持ちがしんどくて、会いたいのに思うように会えないもどかしさを抱いたままで沈んでいるくらいなら、他の子に目を向けてみよう。浮気、してみよう。なんならワンチャン、担降りしよう。
そう思って、チケットを譲ってもらって今日、会いに行ってきました。
行ってみて、幕が開いた瞬間、そこにはきらきらした世界が広がっていて、あ〜〜〜〜〜これだ!これこれ!!!わたしが渇望してる世界!!!!!!ってぶっちゃけ思った。
気になってた子はやっぱりめっっっっちゃかわいくて、楽しそうに踊ってて、エネルギッシュですごくすっごくよかった。ステージからわたしも若さを補填させてもらった。たぶん5才くらい若返った。純粋にすごくいいな、って思った。
なのに。
なのに!!!!!!
ああ、あれは彼がハロー春色で着てた衣装だな、クリエでハロー春色初披露したときかわいかったなあ…
この曲彼はこんな表現の仕方で踊ってて好きだったな…
彼ならこのタイミングならこんな風に煽るだろうな…
とかって結局担当のことばっかり考えてて、なんならちょっと泣きそうだった。気づいたら担当に会いたくてどうしようもなくなってた。今back numberとか聞くとたぶん号泣する。
正直わたしは、好き!って気持ちだけが100%占めてるわけじゃなくて、ここまでずっと一途に応援してきたし…みたいな承認欲求みたいなやつと、あと築いてきた時間への情が、彼を応援する理由なんだろうなって思ってた。
だからぶっちゃけほかにアテが出来たら、ころっといくかな〜〜〜??とか思ってた。
まぁ、要するに自分を甘くみてた。
そんなこと1ミリもなかった。めっっっっっっちゃくちゃべらぼうに担当のこと想ってた。大好きすぎて焦げそうなくらい焦がれてた。ごめんなさい、岸くん。やっぱりわたし、あなたしか見えません。再確認はできました。
というわけで、本日付けで、岸くんから岸くんに担降りします。
浮気?なに言ってんの?わたしは一途だよ。